小間久商店は、ガラス・建材を通して地域社会に貢献して行こうと考えています。

経営理念について　開設時をふりかえって　岩井啓二

　泉南営業所も今年10月末をもって満10年を迎える事になりました。当営業所は先代社長が将来の空港開設による泉南地区発展に伴う、地元業者密着の拠点として、昭和54年10月に他社に先がけて開設されました。開設時は現社長が所長として、小森君と私、地元採用の女子事務員、それに新日軽(株)より応援の営業マン１人の計5名でスタート致しました。初年度の売上高は、１億６千万円(今年度計画３億５千万円)で予想よりも良いスタートを切る事が出来ました。

　当時は現在の場所ではなく、第二阪和の佐野高校の和歌山よりの８０坪程の貸し倉庫で、天井も低くクレーンも設置出来なく、ホークリフトが全てでした。車の出人りにも、直送のガラスを降ろすのも大変苦労の３年間でした。その間にも自社倉庫を持ちたいと考える先代社長は八方手を尽くされ、あちらこちらの土地を見に行かれ、やっと見つかったのが現在の営業所です。敷地６００坪、建屋３００坪、当時としては大き過ぎるという意見が大半を占めましたが、今となれば本当に大きくて良かったと思いますし、大きな会社の財産になっております。

　この１０年の間の一番の出来事はやはり先代社長が逝去されたことです。６２才の若さでの出来事には、現社長はもちろん全社員がこれから先の不安をいだき、私も泉南営業所の撤去もありうると思いました。しかしこの不幸をバネにしたのか、現社長を中心に会社の業績は上昇し、私の不安を一掃いたしました。

　それからの今日迄の本社営業のすばらしい伸びに泉南営業所も引っぱられながら少しではあるが伸ばす事が出来、人員も5名から9名に増え、硝子工事部門も出来、中古ではあるが自動切断機設置と内容も改善の道を歩んでいます。

　泉南地区には昨年より他社競合店各社（平安、酒直、小松勉）が営業所を開設してきています。もともと市場の小さい地区で、サッシ店、ガラス店も多くはありません。空港関連の仕事も建築関係は未だ出ておりません。その中で問屋が４店も５店もが営業所を出し、採算が取れるとは思われません。しかし、私共は先代社長がなぜ１０年前に他社に先がけて営業所を出されたのか、その意味をよく考え、その意思を十分理解し、絶対に退く事は出来ないのです。これからも大いに発展させ、永続させていかねぱなりません。幸い、この１０年間で、開設前の泉南売上高７８２１万円が約４．５倍の３億５千万円の売上規模に拡大しております。又、得意先数も８社から５５社に増えました。いろいろな出来事がありましたが、この１０年間、順調にやってこれた事、営業所の皆さん、又、本社の皆さんに対して感謝の気持ちで一杯です。

　これからも、泉南営業所社員全員が一丸となって頑張っていくつもりですが、人員も少なく、組織も充分なものではありませんので、今後も本社の皆様方の御協力をよろしくお願いいたします。


（1989年9月）